傾聴の体験:些細な気持ちの引掛り

ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、カウンセリングの基本姿勢である傾聴を受けた方の体験を、アレンジしてお伝えいたします。


 

「こんなこと、どうということはないけれど……」、
そんな気持ちの引っ掛かりは、自分で思うよりもずっと大きな喜びへの扉を、教えてくれているのかもしれません。

「若く見えますね」と言われると「若僧」って言われているようで傷つく気持ち。
愛犬と散歩中に他の飼い主さんとうまく会話できない、歯がゆさや居心地の悪さ。
よそのご家族の楽しそうな様子を眺める度にうらやんでしまう、悲しさやくやしさ。

そんな気持ちについて、自分で抑えたり、切り替えたりして、上手にコントロールできている。悩んでいるわけでもないし、困っているわけでもない。そんなものでしょ、大人なんですから。

でもあるとき、どうということはない話を聴いてくれる方がいた。「とても大切な気持ちですよ」と言って、親身に聴いてくれた。どうということはないはずなのに、いろんなことを思い出して、いろんな気持ちが湧いてきた。自分がこんな風に感じていたのかと思うと、恥ずかしかったり驚いたり情けなかったりしながら、話せるところまで話してみた。聴いてくれた方からのおだやかな感想には、心を砕いてくださったあたたかな気持ちを感じて、とてもありがたかった。私の気持ちは少しだけスッキリしたような、でもそれは確信が持てない、そんな感覚だった。

それから数カ月の間ときどき、聴いてくれた時を思い出していた。その内容からさらにいろいろと感じていた。いろいろと思いが巡っていた。そうして少しずつ、緊張がほぐれるような、安心できるような、柔らかい感覚を覚えた。そしてすぐ、変化を実感した。

「若く見えますね」と言われて、素直に「よく言われます」と嬉しく返せるようになった。
愛犬の散歩中、他の飼い主さんと自然な会話を楽しんで、再会できることを楽しみにするようになった。
よそのご家族の楽しそうな様子を見ても心がざわつくことなく、おだやかに過ごせるようになった。

体験してわかる、これまで抱えていた心の緊張。そこにはちゃんとした理由があったことも、腑に落ちてくる。でも、今はそれが絶対でないともわかると、自然に心がほぐれてくる。「変えよう」なんて思わなくても、変わってくる…自然に。

今でも聴いてもらった時のことを、心おだやかにときどき思い出す。変化は今でも、少しずつ続いているように感じる。

林から見上げる空

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。

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