優秀な人の休まない宿命。休まなくても「リフレッシュ」でいい。

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メンタルヘルスの世界では、「疲れているなら休んでくださいね」とシンプルに伝えることがよくあります。しかし、私は少し違うように思うのです。「休息してください」と伝えるより、「リフレッシュしてくださいね」とお伝えする方が、ずっと適切だと考えています。

なぜなら、「休まない人・休めない人」の背景には、その高い能力と責任感が深く関わっているように感じることが多いからです。

■ 特徴分析:心身に疲労を溜めない「休む人・休める人」

まず、心身のバランスが取れており、自然と疲労を溜めにくい「休む人・休める人」の特徴を見てみましょう。

特徴 行動・考え方の傾向
他人を信頼し、頼れる 自分じゃなくて大丈夫、自分じゃない方が適任と、自然に思う。
タスクを適切に手放せる 合格点を低めに設定する。やらないことや不合格を受け入れる。
疲労を素直に受け入れられる 疲れると身体が自然と動かなくなる。休息を心地よく感じる。
オンとオフの切り替えが上手 「何もしない・何も考えない時間」を意識的に作る。

「休める人」は心身のセーフティネットが機能しているので、メンタルヘルスの問題が起きにくい状態にあるでしょう。

■ 特徴分析:能力が高すぎるゆえの「休まない人・休めない人」

では、あなたの周囲にもいる、常に活動的で休むことを知らない「休まない人・休めない人」はどうでしょうか。彼らの背景にあるのは、往々にして「優秀さ」です。

特徴 行動・考え方の傾向
自信と責任感が強い 実行能力、モチベーション、判断力など、多くの場面で周囲より際立つ力を持っている。
高得点を狙い続けられる 合格点は常に満点(100点)。そして、その満点をいつも狙えるだけの力がある。
疲労をモチベーションで克服できる 活動中はポジティブな使命感に満たされる。疲労を感じても心身が自然と動き続ける。
常時オンでいられる 「考える」「行動する」モードが通常運転。

「休まない人・休めない人」は、心身に疲労がたまりやすい傾向にあります。これはメンタルヘルスの問題を招きやすい状態でしょう。

優秀さゆえの宿命と、リフレッシュという処方箋

彼らの特徴のひとつは、非常に優秀で、周りからの期待に易々と応えられてしまうことにあります。さらに、それを心地よくポジティブに感じてしまうため、活動状態に拍車がかかります。

しかし、この心身頭脳の「高性能」こそが、自らを追い詰める原因となりうるのです。周囲はますますあなたを頼りにしたり期待したりして、「休む人・休める人」になることを許してくれなくなってしまいます。

必要なのは「停止」ではなく「活動の転換」

冒頭に記した「休むのではなくてリフレッシュ」という表現は、まさに「違う活動をしよう」という意味です。
例えば、会社の仕事に明け暮れているとしたら、活動を家庭・家族の活動や趣味・ひとり遊びの活動に変えることが一例です。
そこで:

  1. 違った分野での優秀さをまた発揮してみる。
    (例:手の込んだ料理を作る、難易度の高いゲームをクリアする)
  2. あるいは、凡庸さを心置きなく発揮してみる。
    (例:苦手な絵を描くことや苦手なスポーツをすることで、少々の恥をかく)

活動の矛先を変えることで、脳と体の一部の使い方が変わり、結果的にリフレッシュにつながります。

もし周囲に頼られて休めないと感じるなら、「今回は100点でなく、ピンポイントで50点を狙う」と設定し、あえて点数をコントロールする「能力調整ゲーム」として活動することも、能力の高さを発揮する場面かもしれません。

いずれにしても、「過ぎたるは及ばざるがごとし」。 休み過ぎも、活動し過ぎも、心身のバランスを崩すきっかけになりえます。どうか、ご自身の高性能と上手につきあい、活動の転換を意識して過ごしてください。

道路の夜景 「お疲れさまでした。お休みなさい。」

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。

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