いてくれることを、みんなが望んでいる

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人事異動で若い部下に仕事を任せた、25年ほど前の出来事です。彼は仕事熱心で能力も高く、周囲から慕われていました。正直、私より期待できる人物だと感じていました。だからこそ、何の心配もしていませんでしたが、彼はどうやら大きな不安を抱えていたようです。

新しい部署は年上の仲間が多く、社外とのやり取りも頻繁に発生します。そのチームをまとめるキーマンとしての役割を担うことに、重圧を感じていたのでしょう。

「これまで通り、みんなとうまくやれるだろうか?」 「信頼してもらえるだろうか?」

そんな彼の不安を察し、私はこう伝えました。

「君が確かにそこにいる。ただそれだけで、みんなは安心して働けるんだよ。」

何かあっても、みんなは君を頼りにし、自分たちで解決しようと努めてくれるだろう。なぜなら、君はみんなのことを大切に思っている。そしてみんなも、そんな君を心から慕っている。だから、大丈夫だよ、と。

この言葉は、何もせず、ただそこに存在しているだけでいいという、「いること・存在すること」の価値を伝えるものでした。

精神分析学の創始者フロイトは、人生のすべては「愛と労働」であると言いました。彼の言う「愛」とは「いること・存在すること」、そして「労働」とは「すること・役に立つこと」だと、私の師匠は教えてくれました。「存在すること」が大きな力であることを、いつも忘れずにいたいと思います。

公園の朝

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。

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