歳を重ねてしなやかに、さわやかに

ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
今回は、あるお歳を召した方のご様子を、書かせていただきます。
(アレンジしておりますこと、ご承知おきください。)


 

お歳を召した女性が、かすかな望みを込めて、静かに微笑まれます。
「まだ頑張れる、私は大丈夫」と、どこか安堵の気持ちを覚えながら、ご自身にそう言い聞かせておられるようでした。

「この間、急に簡単なクイズが全く解けなくなってしまって。一番簡単なレベルだったのに…」
以前は日課にしていた数独が、ある日突然、解けなくなったのだそうです。体力と認知の衰えから家業を完全に辞めて後のことだそうです。

「孫から塗り絵をすすめられたけれど、そんな子どもみたいなことはしたくないわ」
自分の衰えに驚き、落ち込み、温かい助言さえも惨めな気持ちにさせてしまう、と話してくださいました。それでも、優しくて、医師でもある孫の言葉に背中を押され、すすめられた塗り絵を手に取り、塗ってみたそうです。そうしたら、とても楽しかったのだと。

「どうしようもなく心細くなる時があるの。身体の調子も悪くなったりして。でも、頼れるお医者さんがとても親切で、仲の良い友達が二人いてくれる。本当にありがたいわ」
30年ほど前に、親が同じように感じているのを見てきたから、「こういうものなんだろう」と受け入れている部分もあると言います。けれど、その心細さから逃げるのではなく、ご自身で築き上げた人とのつながりを大切にされています。

「いろいろなことができなくなって、仕事も辞めてしまったの。何もしない時間は、やっぱりつまらないのね」
「でも、みんなに迷惑をかけたくないし、自分ひとりでできることを、できる限り続けていきたい」
「私、まだひとりで頑張れるから、私は大丈夫よね」
そう問いかける言葉には、ご自身の生き方を確かめるような、そして、そっと背中を押してほしいような、両方の気持ちが込められているように感じました。その方が放つ優しい光に、私は心を照らされたような気がしました。

「まだまだ大丈夫ですよ、これまでも、今も頑張っておられるんですから」。

可憐な紫の花

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。

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