個性に向き合うパラアスリートに習う
パラリンピック・パリ大会が間近に迫る。
競泳の窪田幸太(くぼた・こうた)選手(24歳/男子100m背泳ぎS8)が、
よく知られる背泳ぎとは異なる泳法に取組んでいる様子を、TV番組を見た。
S8とは、協調性に軽度の障害、両下肢の動きに中等度の障害があり、
片腕のみを使用する、または手足の欠損がある水泳選手のクラス。
窪田選手は、生まれた時から左腕をほとんど動かすことができない。
いわゆる障害者の障害の状態や程度は多様であることは、容易に想像がつく。
優れた選手を参考にしつつも、そのままは真似られないことも普通であろう。
記録を高めるための泳法は、自分の状態に適していることである。
ひるがえって、健常者のアスリートのことを思ってみても、
同じように、自分の身体に適したスキルを磨くべく取り組んでいる。
自分がそもそも持つ強みをどう活かすか、弱みをどう補うか。
人はみんな違っている…アスリートに限らない。
身体に限らない。心も環境も違う、生きてきた時代も地域も違う。
生い立ちはまるで違う。同じ人でも昨日と今日では違う。
生きるフィールドによって、何が強みで何が弱みかも変わってくる。
自分の個性やフィールドでもって他人を評価することは、的外れで失礼ではないか。
他人や世間の意見で自分を評価することも的外れで、不当に傷ついていないか。
自分に適するように努めて生きること。それが大切だろう。
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