被災した従業員の心理ケア3ステップとBCP
地震、暴風、豪雨、豪雪、洪水、津波…
近ごろ自然大災害が身近になったとつくづく感じます。
身近な方の命や健康、財産や住む場・働く場など、
失ったものが大きすぎる方々を、メディアが頻繁に報じます。
わたしにその経験はありませんが、明日は我が身と不安を覚えます。
企業において、災害対応を永く担っておりました。
事務局として、災害対策本部を運営し、各部門と連携し、
人事総務部門として、従業員の安否や建物の被害状況を把握し、
必要な物資や人材を準備して送るなどをしておりました。
被災している従業員本人が、我が身を顧みず、企業や従業員や取引先のために、
地域や家族のために、懸命に活動する様子を聞くにつれ、頭が下がる思いでした。
被災者は、支援を受けることにたいへんな感謝を感じたと言います。
支援内容は、物資や人材、情報や各種サポートと多岐に渡りましたが、
支援してくれるその気持ちが嬉しく、折れそうな心を支えてくれたと言います。
わたしでも、少しは被災された方の役に立てたのだと思いました。
大災害により被災した方々は、心理的にも危機を迎えます。
地震・津波・洪水など地域全体が被災する場合を想定して、
心理的危機への対応を3ステップで簡単に記します。
step1:発生直後~。
被災した地域の方々の命が最優先のステップです。
※生存と安全の欲求が高まる段階ですから、この欲求に応えることが最優先となります。
安否確認を開始しその都度対応し、生きるために必須な食料・水等の発送準備を開始します。
また、災害に継続対応するための対策本部を現地と現地外で立上げて連携を開始し、
全ての情報を相互に発信・共有する体制を整えます。
step2:対策本部立上げ後~。
現地と現地外の対策本部が、連携して情報を被災地域の方々に発信します。
心のケアが必要な方々を今そして今後に想定し、相談窓口を開設します。(電話・OL・現地など)
※生存・安全の欲求と同時に、仲間と助け合いたい欲求が生じてきますので、
状況を理解して、今できることをやれるように支援していきます。
step3:3~4日目くらい~。
仕事再開の目安などを明らかにし、企業・職場・仕事・金銭に対する不安を少なくします。
被災状況が厳しいところに実際に訪問して支援し、コミュニケーションをとります。
心の相談窓口を啓蒙します。(被災直後には感じなくとも、後に辛くなる場合も多いです。)
※生存・安全・助け合いの欲求が一定程度見通しが立つと、今と将来に不安が生じてきます。
できるだけ不安を減らしつつ、やむを得ない不安にはケアをしていきます。
企業が存続すること・事業を継続すること、それ自体が、
従業員・取引先・顧客の心理的な危機を救うこととなります。
心理カウンセラーとしては、企業の経営者の方々に、
BCP(事業継続計画/Business Continuity Plan)の策定と確実な運用を、
是非にお願いしたいと思っています。
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