考えと気持ちが密かに矛盾し、不安定になる人
人に上下はない。上司部下は役割上のことで、人間は対等である。そうあるべきだ。
部下としても上司としても、職場の仲間にはフラットに接してきた。
職場では穏やかで理性的で、部下に慕われ上司とも風通し良く、概ね良好な関係を自然に築ける。
そう自負して、生きてきた方がおられます。
その方があるとき、気づかれました。
「実は私には、上に立ちたい願望がずっと横たわっているようです。私は、偉そうにする人に苛立ちを感じてきました。それは、フラットであるべきと考えるからだ…と感じてきました。でも、それよりも、悔しいからなんじゃないかと、ふと気づきました。実は心の底で、私も偉そうにしたい、あいつの下になんかなってたまるかって、密かに感じているからなんじゃないかと。フラットであるべきという考えというフィルターを通ると、自分の悔しさがずっと分からなかったんです。」
その方は、家でひとり、為政者のニュースをテレビで見ると毎回、ひどい悪口を発してきたそうです。
「それは冷静な批判なんかじゃなく、小さな子供が言う単なる悪口です。すさまじく沸き上がります。自分でも驚くくらいに。思想なんかじゃなく、未熟な気持ちなんです。正当な怒りだとばかり思っていましたが、その都度屈辱を味わい、闘っていたんです。闘わずにはいられなかったんだと思います。」
その方は、自分のことを、器が小さいと評しながらも、そんな自分がなんだか可愛いともコメントしました。嫌いじゃないとも。偉くなりたい自分と偉くならないぞっという自分が、どのように化学変化を起こしていくのか、楽しみです。既に現れた変化としては、湧き上がる悪口の量は減り、そのすさまじさは衰え、理性的な批判が増えたそうです。
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