あのころ、親は…若かった
あなたが幼い頃に、親から伝えられた辛い言葉や悲しい態度。
今でもそれが許せなかったり、それに打ちのめされていたりして、
あれから何年・何十年経ったかもしれないのに、
あなたの中では依然として最も重大な出来事のひとつとして、
今のあなたを支配している。
親への不信を抱きながら、我慢しながら親子をしている。
遊んでほしかった。やさしくしてほしかった。なにより、愛してほしかった。けれど、
「あの人には今更期待はできない、そういう人なのよ」と、こころを落ち着かせている。
でも、本当に落ち着けたわけではないってわかっている。だから、頑張っている。
大人になったあなたは、ちょっと考えてみる。
「わたしの幼き頃、親はいくつだろうか。今のわたしと同じくらい?もっと若い?。」
時代も違うし環境も違う、そもそも別の人間だけれども、
年代ごとの感じ方や親が子供を思う気持ちって、共通する部分も多いと思う。
自分の経験や親の様子から、親の気持ちを静かに想像してみてください。
「親はおじいちゃん・おばあちゃんのことを、どう思っていていたのだろう。親子の間には、複雑でいろいろなたくさんの思いが積もるもんだろう。わたしと同じように、いろいろと辛い思いを抱えていたのだろうか。」
今のあなたは、社会人・家庭人・親として生きているのかもしれません。あるいはそれを期待されて生きているのかもしれません。それを全うしようと、一生懸命に頑張っている。でも、一生懸命にやっていても、上手くいかなかったり、トラブルに巻き込まれたり。そんなとき、こころにもないことを言ったりしたりすることは、誰にだってあることです。
「若い親は、今のわたしと同じように、いろんな仕事や役割を背負って生きていただろう。私と同じように、うまくできないこと、苦しくなることだってあったはず。それでも踏ん張って、私を育ててくれた。今の私ならわかる気がする。」
あなたの親が、あなたに伝えた辛すぎる発言や冷たい態度は、
あなたを愛していなかったからではない…そんな風に思えます。
一生懸命にあなたを愛し、あなたを守ろうとしてもうまくいかないから苦しくて、
心と真逆なことを言ってしまった、やってしまった…のかもしれません。
親はあなたに謝りたかったのかもしれないけれど、
そんな気持ちをどう表せばいいのか分からなかった、若気の至り…なのかもしれません。
時が立ったあとに謝る機会を、とうとう見いだせなかったのかもしれません。
あなただって、親を愛している、単純に自然に愛したいと思っているのではないですか。
あなたから親に、素直な愛を伝えられれば、固まった心が解けるのかもしれません。
あなたの親がご存命ならば、素直なあなたの本心を、勇気をもってお伝えしてはいかがでしょうか。
ご逝去されているならば、墓前やご遺影の前で、思いっきりお伝えしてはいかがでしょうか。
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