ラストシーン(くれたけ#240)
このブログでは、くれたけ心理相談室の今月12月のお題(くれたけ#240)「私が泣いた時の話を聞かせてください(悲しいこと 嬉しいこと 何でもOK)」に応えます。
父が逝く場面を妻に話すことが、ときどきあります。父は享年57歳でした。
ドラマやニュース…なにかのきっかけと成り行きで、その場面が重なって話します。
毎回うるっとしてくるので、話短く、照れ笑いして切り上げます。
逝くときの父の表情は、ありありと目に浮かびます。
懐かしく、温かい気持ちになります。
寡黙な父が、病に苦しみ意識が薄れる中で、
息を引き取る直前の最後に発した、母に伝えた「有意義に生きよ」、そして家族への「ありがとう」。
父の”渾身の言葉”だったでしょう。
生意気に言わせてもらえれば、「おやじ、見直したぞ!」って感じです。
(母は、辛すぎる悲しさや寂しさに包まれる際、この渾身の思いに支えられて、なんとか乗り越えてきたようです。頻度が少なくなった今でもときどき。)
家族とは実際の交流も心の交流も少なく、仕事に生きた、短くて不器用な人生だったと思います。
そんな父が私を愛していたと感じる場面が、いくつか大切に心に残ります。
特に最後の場面は、最高のラストシーンだったと、懐かしく、温かく思い出すのです。
あの世でも、来世での、もしまた逢えるのなら、
あなたの子どもとして再チャレンジして、
今度こそ、大事そうに飲んでいたジョニ黒を一緒に飲みながら、
いろいろと話したい、いろいろと聴かせてもらいたい。
私が成人になる前に父は肝臓を患い、一緒に酒を飲めなかった。
父の夢でもあったろう、父と息子で酒を飲む私の夢を、
今度こそかなえたい。
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