苦しさを打ち明けないのは、あなたを信じていないからではない
愛し合うふたり、深い友情でつながった親友、心から大切にしてきた子ども。
太い絆で結ばれているから、どんなことでも隠さずに、私だけには言ってくれる。
そう思っていたのに…
最近辛そうなのに、苦しそうなのに、「なんでもないよ」って。
私を避けている…私には言えない…私を信じてない…そういうことなんだろうか!
隠しごとをされるなんて、とても悲しい、さみしい。苛立ちすら感じる。
そんな風に思われる方に、心理カウンセラーから一言、申し上げたいです。
辛い、苦しい気持ちって、安心できる人に思いっきり話すことで楽になることは確かです。
心理カウンセラーはまさにそれをしていただくことを、お仕事にしています。
でも、安心できる相手なら辛い気持ちを話せるとは、限らないものなのです。
なぜなら、話すときは、その辛すぎる気持ちに向き合わなければいけないのですから。
今日一日を過ごす間は、お仕事や家事や家族、ニュースや面白いテレビなど、
自分以外のことで心を埋められて、辛い気持ちから逃げることができていたのです。
でも、心の底にはずっと辛い気持ちがあり、ふとした隙間時間にはその気持ちに覆われます。
あなたといるときは、話したくなる気持ちもよぎるのです。
ただ、話すということは、その辛い気持ち、その気持ちが湧く事柄に向き合うことになります。
安心できるあなたに話すのであっても、やはり向き合わなければいけないのです。
その勇気が持てないうちは、逃げるしかないのです。向き合えないのです。
そうしなければ、心が壊れてしまうから、自分ではなくなってしまうから。
あなたは、勇気が持てるようになるまで、どうぞ待ってさし上げてください。
それまでは、勇気が持てたときに話せるように、安心できる関係を続けてください。
そのために、これまでの普段どおりに、自然に楽に、接してあげてください。
そして勇気が持てた時には、「話してくれて、ありがとう。本当に辛かったでしょう。」と、
温かく迎えてあげてください。
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