「自灯明法灯明」で生きなさい(仏陀最後の言葉)

仏陀

自灯明法灯明(じとうみょうほうとうみょう)

これは、お釈迦様がお亡くなりになる80歳の頃、最後に弟子に残した言葉だそうです。
「師が居なくなったら何を頼りにして生きていけば良いのか」と尋ねた弟子に答えました。
この言葉が、心理カウンセラーとして身に染みる思いで捉えています。

この言葉は、自灯明と法灯明の二つの言葉からなっております。

自灯明。自分を灯明の明かりとして進みなさい。
つまりお釈迦様は、私(お釈迦様)や他人を頼りにしないで、自分を頼りにしなさいと。

法灯明。正しい法を灯明の明かりとして進みなさい。ここでいう法は、仏法のことでしょう。
難しいことは、私にはわかりません。

ある日本の高僧は、こう言われました。*1
「正しい法とは自己である。したがって法灯明は、自灯明と同じである。」

私たちは真っ暗・無音の世界の中にいる。その世界を照らす灯明を見つけ、それを頼りに生きている。
様々な灯明が世界を照らす。どの灯明で世界を照らし見るのか…迷う。
どれを選ぶか迷うのではなく、自分自身を灯明として世界を照らし見て、それを頼りに生きればよい。

その高僧は、こうも言われました。「自己と自我は違う。」
そして、「最近の世の中は、自我を掻き立てるようなことばかり」と嘆かれました。

 

自分が真に望むもの、真にありたい姿、それこそが自己なのかもしれません。
その自己を探索する道は険しい…でも、探索する道もまた、自灯明法灯明なのだろうと思います。

心理カウンセリングでは、目の前の悩みや辛さの解消に加えて、
「あなたは本当はどうしたいのだろうか」と一緒に考え、進む道を見出していくことがあります。
これこそ、自灯明法灯明の道だと思うのです。

*1:龍泉寺前住職の井上哲玄老師が2008年にお話しされたことを、時を経て私が今解釈し、私流に表現した内容です。
また、関連したブログ「ある僧の説教 うまくいかないと嘆く人へ」もご覧ください。

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
あなたのお気持ちや物語などを、私にぜひ、きかせてください。

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