ハラスメントを、黙って耐えないでほしい

今年2024年5月、厚生労働省は「 職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公開しました。

ハラスメントで多いのは、パワハラ・セクハラ・カスハラのようです。*1
また、パワハラ・セクハラについては4~5割の方が何も対処せず、
その理由の半数以上は「何をしても解決にならない」とあきらめていると分かりました。

企業の取り組みは、こう記されています。
7割以上の企業は「相談窓口の設置と周知」を行い、
6割以上の企業は「ハラスメントの内容、職場におけるハラスメントをなくす旨の方針の
明確化と周知・啓発」を実施しているようです。
ただ、これら取り組みを行っても、実態はなかなか厳しいようです。

労働者の約半数は、企業がパワハラ・セクハラを認識しても「何もしなかった」と回答し、
企業は、その約6割が「ハラスメントかどうかの判断が難しい」と回答しています。
取組んでいる企業においても、全職場を網羅していない、機能していないことも推測できますし、
ハラスメント被害を受けた方があきらめる理由は、そういった現実が少なからずあるようです。

日本人労働者

所属する企業や職場、上司や同僚に対して、職場のハラスメントを打ち明ける・相談することを
躊躇する気持ちは極めて自然な感情です。
勇気をもって相談すべきというのが正論ですが、
信頼できない相手や、同僚等を巻き込む心配などを総合的に考えれば、
相談すべきではないという判断は正論だと思います。さらに、
家族など身近な人や信頼できる人に迷惑をかけたくないとか、大ごとにしたくないなど、
相談すべきでない理由はいくつもあるでしょう。その通りだと思います。

心理カウンセラーとして心配することは、ハラスメントに既に苦しんでいる方が、
孤独になってしまい、ハラスメントと孤独に苦しみ、ますます動きが取れなくなることです。
時が解決することもあるでしょうが、時とともに苦しみや孤独も募るものです。

ハラスメントの苦しみから脱するために、加害者や職場を変えたり抜け出したりすることや、
被害に苦しむ方が自分の対応を変えることが考えられると思います。
「何をしても解決にならない」と、加害者や職場を変えることを本当にあきらめるならば、
あなた自身ができること、小さなことから、行動を起こすのだと思います。

あなたがひとりぼっちで苦しんでいるなら、心配をかけてもかまわない存在として、
心理カウンセラーに相談してみませんか。
あなたが苦しみに耐え続ける間も、解決に向けて行動するときも、ともにあなたを支援します。

あなたは大いなる存在です。ハラスメントにひとり苦しむことはない、そう思います。

*1:過去3 年間に相談があったと回答した企業の割合は、パワハラ(64.2%), セクハラ(39.5%), 顧客等からの著しい迷惑行為(27.9%),  妊娠・出産・育児休業等ハラスメント(10.2%), 介護休業等ハラスメント(3.9%),  就活等セクハラ(0.7%)の順に多かった。

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
あなたのお気持ちや物語などを、私にぜひ、きかせてください。

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