背中を押す力
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「あれをもう捨てた方がいいよ」「これは全然要らないんじゃない?」なんて、他人にはいとも簡単に言えるのに、いざ自分事となると、途端に判断力が鈍る――。あなたにも、そんな「あるある」はありませんか。
実家に行った際、ほとんど使っていない物や、明らかに要らなさそうなガラクタを前に、「これはもう手放さなきゃ!」と強く勧めることがあります。親が「まだ使うかも」「もったいない」と迷う気持ちは理解できますし、その気持ちを尊重しますが、現実を考えると「なぜそんな物を抱え込むんだ」と、つい批判的な思いを抱いてしまうものです。
ところが先日、私自身の整理の番が回ってきました。向き合ったのは、5年間、ほぼ開けていない工具箱。
頭では「現実的に考えて、手放したほうがいいだろう」とわかっている。しかし、「もし今後、急に必要になる時が来たら?」「せっかく5年前に整頓した努力が水の泡になるのでは?」…そんな理屈が支える感情が渦巻き、決断は一向につきません。親を批判する思いがそのまま、今度は自分で自分を批判する羽目になりました。本当にどうすればいいのやら、まったく滑稽なものです。
結局、その膠着状態を破ってくれたのは、妻でした。妻がひとつひとつ丁寧に分別し、私が「これは要らないな」と素直に感じるものだけを選んで手放すというプロセスを踏んだところ、結果として工具箱の中身は半分ほどに減りました。
自分だけではどうしても、なかなか踏み出せない一歩はあるのですね。
そして、他人だからこそ提供できる客観的な視点。 他人だからこそ、優しさだけでなく現実をもって押してくれる背中。その「誰かのおかげ」で、ようやく私たちは、その時の自分に合った適切な一歩を踏み出せるのでしょう。そして、その背中を押してくれた人が、踏み出せたことを歓迎・祝福してくれるからこそ、私たちは勇気を持って前に進めるのかもしれません。

コムラサキ(小紫)。花言葉は、知性、聡明、気品、愛され上手。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
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こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。
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