秋の夜長に、寄り添うチェロの「語り」:バッハ無伴奏組曲
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夜の帳(とばり)が降り、虫の声が響く秋の夜長。こんな時間には、静けさの中で心に響く、情感豊かな音楽が欲しくなりませんか。
ゆったりと椅子に腰かけ、ひとり静かに目を閉じて、耳に入ってくる音だけに集中する。そんな贅沢なひとときに、ぜひお薦めしたいのが、楽器チェロの独奏曲です。
チェロの音色は心に響きやすい
チェロの音色は、他の弦楽器と比べて「人間の声に一番近い」と言われます。
その理由は、チェロの持つ音域の幅広さにあります。最も低い音は男性のバス歌手、高い音は女性のソプラノ歌手の音域をほぼカバーしており、まるで一本の楽器が多様な声で歌っているかのように聞こえるのです。包み込むような低音の温かさ、歌い上げるような中高音の切なさ。その豊かな表現力は、まるで演奏家があなたの隣で、あなただけに語りかけてくれているような親密さを持っています。ただ聴いている、というより、対話しているような感覚すら覚えるでしょう。(参考:ことは音)
お薦めの楽曲:バッハの無伴奏チェロ組曲
そんなチェロの魅力を、最も純粋な形で味わえる名作が、J.S.バッハの『無伴奏チェロ組曲』です。
伴奏なし、チェロ一本の独奏で、深遠な世界を描き出すこの組曲は、「チェロの聖典」とも呼ばれる最高傑作。多くの偉大なチェリストたちも演奏しており、演奏家によって異なる味わいを楽しめるのも魅力の一つです。全6曲で構成されており、すべて通して聴くと2時間程度の長編ですが、ご安心ください。それぞれの組曲は、さらに7つの短い曲(プレリュード、アルマンド、クーラント、サラバンド、メヌエット/ブーレ/ガヴォット、ジーグといった舞曲)で構成されています。
まずは、最も有名な第1番の「プレリュード」だけでも聴いてみてください。あるいは、ゆったりとした「サラバンド」で瞑想的な時間を過ごすのも良いでしょう。その中にきっと、あなたの心を捉えるお気に入りのフレーズが見つかるはずです。
秋の夜長に、チェロの温かい語りに耳を傾け、心豊かな時間をお過ごしください。
・ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(チェロ)の、JS.バッハ 無伴奏チェロ組曲(全曲) (EMI CLASSICS)
・YO-YO Maの、THE BEST COLLECTION(SONY CLASSICAL)
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
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