ご高齢の方の、密かな春の大冒険

ブログにご訪問いただき、ありがとうございます。
今回のブログでは、ご高齢の女性が活き活きされた、春の大冒険を綴らせていただきます。
この冒険のお話をされているとき、彼女のうれしそうで満足そうなお顔が、たいへん印象的でした。

今回の主人公は、おひとり暮らしのアラ90ご高齢の女性です。
彼女の大冒険は、片道2時間の路線バスのひとり旅でした。
目的は、車なら片道20分ほどのお寺のお墓参りです。

 

路線バスのひとり旅に踏み切るまでに、たくさんの勇気ある決断をされたご様子でした。

まずは、お年寄り用(介護用)の手押し車に頼らずに、杖だけを使って遠くまで行くことに勇気が要ったご様子でした。

次に、バスとして初めての場所に、間違えないで行けるかどうかがたいへんご不安だったそうです。バスは一度乗り換えることになるそうですが、事前には少し確信がもてなかったそうです。2つ目のバスに間違えずに乗るために係の方に尋ねることにされたとのことで、これも勇気が要ったようでした。

さらに、耳が遠くなられているので、尋ねたり会話したりできるのかはご不安だったそうです。そこは、なんとかなる、なんとかすると、気持ちを楽な方に切り替えられたと言われました。

最後に、子どもたちには一切事前には告げずに黙って行かれたそうです。子どもに言えば止められることは分かっていると言われました。車で連れて行ってあげると言われたら甘えてしまうし、ひとりで行けなくて残念になると、想像されたそうです。

 

いざひとり旅に出ると、思ったより順調だったそうですが、ひとつだけハプニングがあったと教えてくださいました。

「トイレに行きたくなって、どうしようもなくなった」んだそうです。「歳をとると若い頃に比べて我慢できなくなるのよ」ともおっしゃられました。目的のバス停に到着してからお寺までは歩いて20分程の距離だそうですが、その途中のハプニングだったそうです。

途中小学校があったけれども、最近は絶対に入れなくなっている…と諦めてますます危険うくなったところに、女性がひとり立っておられたそうです。ダメモトで尋ねたら、小学校でなくて小学校に併設の公民館とのこと、「ご自由にお使いくださいね」と案内してくださったそうです。感謝のあまり、「お金はいかほどでしょうか」と頓珍漢なことを言ってしまったそうです。「公民館ですから、お金は要りませんよ」と笑顔で応えてくださったと、嬉しそうに話されました。また、田舎の道で、その時間に人はその人しか周囲には見当たらなかったそうで、本当に運がよかったともおっしゃられました。

すみれ

周囲の方の助けは本当にありがたいし、それがないと生活が回らないことが多いとおっしゃられながらも、「自分にできることもたくさんあるから、まだまだ自立しないといけないね」と力強く笑顔で語られたことが印象的でした。

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。

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