妻への愚痴をいいよどむ、やさしき夫の葛藤
年老いたひとりの男性。もの忘れの多い奥さまとおふたりでお過ごしです。
奥さまに関する文句が積もっておられました。普段話をするお相手は奥さま以外にはおられません。
ふとした機会にお話を伺いました。
家内にはほとほと困るんだよ。
『危ないから、〇〇をしなきゃいかんよ』って注意しても違うようにやっちゃって…。
『違うだろ!(語気少し強め)』って言ったら『そんなことしてないよ』なんて言っちゃって…。
『そうかぁ?』…ってそれ以上は言わないようにしているんだけれど、
危なっかしくて困っちゃうんだよ、ホント。
お心もお身体も、本当にお疲れになられているご様子で、こうおっしゃいました。
そしてここまで言われたあと、その男性は一瞬語気を強めに一音を発しました。
しかしすぐに言いとどまられました。数秒の間があって、こう話し始められました。
家内はね、とても素晴らしい女性なんですよ。人あたりもいいし、頭も切れるし、
きれいだし…。でも…
この後に本格的な嘆きが続きました。それを控えめに表現されました。
その男性のこころの内を察するに、この数秒の中に様々なものが去来したのではないかと。
奥さまを本当に大好きで尊敬し、大切に思われてきた、そして今もしっかり自覚している。その一方で、奥さまの変わってしまった状態を残念に思って嘆き、奥さまに苛立ち、守ってあげられないかもしれない事態に困って、不安を感じている。
また、奥さまを大切に思う気持ちと嘆き・苛立ちの気持ち…この矛盾を受け入れがたくも感じられたかもしれません。そうして、奥さまを大切に思う気持ちを前面に主張し、さらに愚痴を嘆きに置き換えられて、ようやく控えめに吐露できたのだと思います。それでもそこに、そう感じている罪悪感を持たれているように感じました。
吐露して少しお気持ちが楽になられたようでした。なぜなら、その話の後は、若干お声が明るくかつ活発になられ、笑顔も増えたように思うからです。
心やさしく妻を愛する夫の葛藤を、垣間見た気がしました。
※補足1
奥さまにも、旦那さまに積もる文句がございました。おふたりだけの生活を送られていて、お互いのさまざまな感情の吐き出し先も吐き出し方も限られていますから、その文句が解消しにくいのも当然でしょう。でも、奥さまも旦那さまを大切に思われておりましたから、大事に至るお気持ちではないようでしたし、よく喧嘩されていてお気持ちを吐き出してもいるご様子でした。
※補足2
シニアの方のカウンセリングもお受けいたしております。人生の大先輩に対してカウンセリングなんておこがましくも思いますが、こころの内を吐露されるだけでもお気持ちが軽くなることはあります。ご活用ください。
また、人生の物語をお聞かせいただきたいと感じております。これまでの輝かしい活躍や苦しい思いなど、多くのさまざまなご経験がおありだと思います。なかなかお話しする機会に恵まれなかったお話や、人生を振り返ってのお話など、よろしければ是非お聞かせください。ご予約はこちらから。
投稿者プロフィール

- くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー 産業カウンセラー
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こんにちは。広い空や海の開放感が大好きなものですから、
自分への日々のご褒美には、広い空間の体感かスイーツやお酒少々です。
皆さんの明日が今日よりも、明後日が明日よりもステキでありますように。
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