ペットロスを生きる
ワンちゃんを飼っておられた方の話。
***
長く愛したワンちゃんが静かに穏やかに逝ってしまった。
そのときは突然かつしずかに訪れて、とうとうどうしてやることもできなかった。
病を告げられてからずっと、このときを覚悟はしていたのだけれども、
どうしても会いたい会いたい、会いたくてしかたがない。
自分も逝けば、会えるのだろうか。自分も逝きたい、会いに行きたい。
いつもいつも一緒にいればよかった、淋しかったかなぁ、悲しかったかなぁ。
ほんとうにいい子だった。いつもおだやかで…最期のときまでおだやかで…。
涙にくれる日々を過ごしていた。
何もしたくない、どこにも行きたくない、誰にも会いたくない…ただただワンちゃんに会いたい。
何週間かして、変化が訪れる。
空からワンちゃんが、微笑みかけてくる。
「会いたい、会いたい」と叫びながら、会いに行けない・会いに行かないとも感じている。
こちらの世界から、あちらの世界に話しかけている。
「ひとりぼっちで留守番させて、ごめんね。」
「そのうちに私も、会いに行くから。それまでそちらで楽しんで待っててね。」
会いたくて会いたくて仕方がない気持ちは、全く変わらない…けれども、
親しい人に会いたくなった、話したくなった、すこしだけ頭が上を向く気持ちになった
ワンちゃんの言葉を感じるようになった
「ゆっくり待っているから。それまで元気で楽しんで過ごしてね。」
「愛してくれてありがとう。ぼくも大好きだよ。」
涙がこぼれたるその顔は、少しだけ微笑んでいた。
***
飼い主さんのつらいお気持ちは、とても自然なお気持ちです。
亡くなったペットを思う悲しみを他の誰かと一緒に感じることができれば、
幾分かは救われるのかもしれません。
それでも、つらくて苦しくて、生活するにも問題が生じてしまうような事態になれば、
どうぞ、お声がけください。
ご本人は自ら出向くことが難しい場合は、ご本人でなくとも、ご家族や身近な方でも、
ご相談いただければと思います。
あるいは、訪問カウンセリング(出張カウンセリング)というサービスもご活用ください。
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