いたずら…明かしていないドッキリ

大学生のとき、友人が私の下宿に来たときのいたずらの話。楽しかった思い出。

ふたりともいわゆる貧乏学生。

私の下宿は、トイレ共同・風呂なしの6畳一間(炊事場・上がり框(あがりかまち)含む)。

そこにやはり似たような部屋に住む、愛媛から上京した田舎者の貧乏学生が訪れた。

田舎の貧乏学生が、東京で集う典型的な絵姿。私は岐阜から上京した。

 

私は彼に、「いいお酒があるんだよ!」と誘った。

いいお酒、高いお酒なんてあるわけもない。そもそもお酒が得意ですらなかった。

自宅から持ち出したブランデーのナポレオン…の空瓶。大人びてカッコつけて飾っていた。

それから思いついたいたずら。安酒を入れてだましてやろうと、ドッキリを仕掛けようと思った。

彼は「飲みたい!」と誘いに乗った。まんまとひっかかった。

準備したのは一番安いウィスキーのボストンクラブ。ブランデーですらない。

ナポレオンのボトルに収めた。ブランデーグラスを2つ準備した。彼を迎える準備が整った。

彼がやってきた。いよいよである。ボトルから2つのグラスに注ぐ。

ふたりともグラスを手に取り、ゆっくり回し、同時に口をつける。私は彼の反応をうかがった。

ブランデーグラス

友は大きな声で感嘆する。「おいしい、おいしいなぁ。ヤッパ違うなぁ、ナポレオンは!」。

すごくすごく喜び過ぎた。

「ほんと、おいしいなぁ。さすがナポレオンだよなぁ」と私も感嘆したふりをした。

ふたりで大いに笑顔になった。私も本当の笑顔になった。たのしくておいしかった。

 

ウィスキーとブランデーの違いすら分からず、ましては安酒と高級の違いなどわかるはずないふたり。

私はとうとう言えず、40年近く経過する。ちょっと罪悪感。でも楽しすぎた笑い話。青春の1カット。

そんなひとときを今、愛らしくほほえましく思う。そんなシーンこそ素敵によみがえる。

 

わたしくごとのエピソードにおつきあいいただきまして、ありがとうございます。

笑いにあふれる時間は、永い人生のこれほど後々にまで、笑顔をくれますね。

人生、楽しみましょう!いっぱい、楽しみましょう!

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
あなたのお気持ちや物語などを、私にぜひ、きかせてください。
あなたに笑顔があふれ、未来に希望が感じるよう、ご支援いたします。

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