夫婦の間での、「実の親」問題
親が要介護になり、子ども夫婦が食事や入浴などのお世話をすることになると、
夫婦間で始まる葛藤のひとつが、「実の親」問題です。
実の子どもは、配偶者に申し訳ない気持ちが湧きますから、
自らが積極的に世話をして、できるだけ配偶者に迷惑をかけまいと、孤独に頑張ってお世話します。
義理の子どもは、しゃしゃり出まいと配偶者を気遣い、義理の親には気兼ねします。
お世話から距離をとることが夫婦間の距離にもなって、お世話にますます参加しにくくなります。
実の子どもの心身のストレスは、相当なものでしょう。
なぜなら、実の親の面倒はすさまじい感情労働だから。
自分を育てた頼もしい大きな存在がか弱くなってしまっていて、
悲しいやら、腹が立つやら、情けないやら。それでも、
やさしくあたたかく面倒を見なきゃいけない…って思うだけで、充分ストレスフルです。
そもそも、たいへんな重労働で肉体労働で、場合によっては長時間労働なのですから。
そんな実の子どもの様子をみれば、義理の子どもの方もいろいろ思います。
お世話を手伝ったほうがいいのかなと、迷い始めつつも、上手く手を出せず困ります。
実の子どもを苦しめる親をひどい人だと憤りつつも、表現することははばかられます。
役に立たない自分を認めたくなくて、何とか役に立とうとして、あがき始めます。
自分もなんだか落ち着かなくて、ストレスが溜まります。
ふたりとも、お世話について言いたいことを言えず、やりたいことをうまくやれない。
ふたりとも、お互いを思いやって、でもそれをうまく表現できない。
なぜならふたりとも、自分がストレスフルで、相手の本心に気づく心の余裕がないから。
そんな時はふたりで一緒に、思いっきり発散できたらいいと思います。
カラオケで大声で歌ったり、共通の趣味で思いっきり汗をかいたりしませんか。
思いっきり発散できたら、ストレスが少ない状態になって、そうしたら、
相手を思いやる気持ちや自分の苦しい気持ちを素直に伝えられるかも。素直に受け止められるかも。
既にこじれてしまっているのならば、一緒に何かする気にすらならなかったら、
心理カウンセラーにどうぞご相談ください。
絡まってしまった糸をほぐすお手伝いを、させていただきます。
大丈夫です。相手を思いやっているふたりですから、
自分の気持ちと相手の気持ちにおふたりが気づくことができれば、
関係はよくなり、お世話する気持ちが少し楽になると期待しますよ。
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