名前の話① 難読
私の名前は「青木 亮」です。「あおき とおる」と読みます。
「亮」と書いて「とおる」…でも、「りょう」か「あきら」と読む人がほとんど。
だって、「とおる」と読ませる人は本当にほとんどいないのだから。
呼ばれるときはたいがい、「あおきりょうさん」と呼ばれる。
その都度「とおるです」と訂正してきた、子どものころから面倒だなぁを繰返してきた。
相手はいつもいささか恐縮される…「変な名前ですみません」って内心謝罪してきた。
いつの頃からか、訂正しなくなった。
「あおきりょうさん」と呼ばれれば、「はい、私です」と応える。
小さく傷ついてはすぐ癒えて消えるようになっていた。
こんな経験が、私のこの名前に対する思いを、深めた。
私は私のこの名前、大いに好いていないけれども、嫌っていない。
両親の命名の思いは、「亮」にある「ほがらか」という意味だろうと、当てを付けている。
「りょう」はカッコイイ響き、「とおる」はなんだかカワイらしい音、「とおる」は「ほがらか」だ。
変わった読み方にした理由は、ふつうでなくていいって願いだと勝手解釈をした。
私はそうなっているのだろうと、両親の願い叶ったりと、親孝行息子だと、思うのである。
一生に何度書き(最近は入力か)、見て読み、呼ばれるだろう。
どんどん名前が私自身になっていく…いや、私自身が名前に似合うようになっていく。
慣れ親しんできたこの名前は、気がつけば、
「青木亮」と「あおきとおる」は、私そのものなのである。
自分の名前、大切に思いたい。
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