連日の大地震 「正しく恐れる」とはこういうこと

一昨日(2024年8月8日)の日向灘地震と南海トラフ地震注意情報で、
備える活動は昨日既に活性化していたようです。
昨日のブログ「巨大地震注意に対するメンタルヘルス_呼吸法」では、
リラクセーション技法をひとつ紹介しました。

そして昨日(2024年8月9日)の神奈川県の大地震により、
その緊張感をさらに高まったという人も多いでしょう。
リラックスすることと同時に、「恐れる」ことも大切なのです、辛いでしょうが。

 

「正しく恐れる」
各種メディアで、頻繁に触れるフレーズです。
新型コロナの際から、使われるようになったかもしれません。
そうだなあと思うけれども、よくわからない、そんなことできない、
そう感じる方もいると思います。

このブログでは、このフレーズの意味を理解したいと思います。

 

まず「恐れる」という言葉を考えてみましょう。
「恐れる」、これは感情です。
自分や大切な方の生命や大切なものを失う危機を感じることです。
この感情が湧くと対策を講じ、困難な対策であっても勇気を奮い立たせて完遂して、
その危機を乗り越えることができます。
たいへん苦しい感情、そのおかげで
生命の危機、喪失の危機などを脱する可能性が高まると考えられます。

「恐れる」感情自体は、大切なものを守るためには必要で有効な感情なのです。
苦しむ価値はありそうです。

 

しかし、「正しくない恐れ」はお薦めできないと、このフレーズは説いているのでしょう。

地震が来るかもしれないと知ると、恐怖以外に「不安」が湧きます。
地震および発災後に対する漠然とした、つまり言葉ではなかなか表しにくい感情です。
なぜなら、「ただただ不安」「どうなってしまうのかと不安」という表現が近いように思います。
これが「正しくない恐れ」です。
※水の在庫が7日分で足りるかどうか…この感情は心配。足りなくなる可能性を感じるのは恐れです。
そう感じた時は、もう〇日分を足せば解消しそうです。

鎌倉の大仏

つまり、「正しく恐れる」とは、根拠をもって恐れることでしょう。
「〇〇が心配」「〇〇となってしまう可能性がある」と言えること、
「その都度、今できることをやる」と覚悟することだと思うのです。

 

正しく恐れるためには、地震に伴って自らに降りかかる危機を、
今できる範囲で把握し、今できる範囲で対処することが大切です。
そして、今できる範囲を超える部分については、できるようになった時に対処し、
地震が発生して危機に遭遇した際は、その時にできることを把握し対処すると
覚悟することなんだと思います。

 

また、正しく恐れるためには、落ち着いて頭で考えて決断することが、
心に湧いてしまう不安を抑えることになるでしょう。

しかし、不安は常に湧いてくるものと思ってください。
未知の危機に不安が湧くこと自体は当然なのです。
落ち着いて頭で考え、不安を制御することがうまくいかないときも、きっとあるでしょう。
ですから、身近な人と支え合うこと、協力し合うことは、
メンタルヘルスの観点からたいへん重要なのだと思います。

 

正しく恐れ、大地震・巨大地震に備えていきたいと、私自身も改めて覚悟します。
身近な人、家族や仲間とも、対処も心も支え合っていこうと思います。

注意)恐怖の感情が強い状態が永く続くことで健康を害する可能性があります。
昨日紹介したリラクセーションなどで適度に緩和することをお薦めします。

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
あなたのお気持ちや物語などを、私にぜひ、きかせてください。

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