Aさんは最近、自分の死が頭をよぎる

Aさんは勤め人である 公私ともにまぁ順調である
家族や仲間との関係も、ほどほどにいいと思う
多少の問題はあるけれど、それなりに対処できている
特段の不満はない、不安もない

最近、自分の死がときどき頭をよぎる
出勤する際に、今日、死んだりするのかな…ホームに入る電車をみる
仕事をする、特に問題はない、集中できている
帰途につき、家が見えてくる 今日も死ななかったな
翌朝もまた繰り返す…今日はどうなんだろう

死にたいわけではない、生きるのが辛いわけでもない でも
死にたくないとか、生きたいとか、強い思いが湧くこともない

死を思って怖いわけでもない、悲しくなるわけでもない
今日死ななかったと安堵するわけでもない、明日を不安に思うわけでもない

Aさんは、この1カ月ほど前まで約3カ月間、プロジェクトの責任者であった
それをやり遂げた充実感と、重責からの解放感を味わった
その後も多忙は続くが、Aさんにとっては許容範囲内であった

Aさんについて、たとえばこんなふうに想像する

3カ月間のプロジェクトは、Aさんの心を深く傷つけた
Aさんの頑張りは、Aさんがその傷に鈍感になれるように支えた
その後1カ月間の多忙は、さらに深く傷をえぐった
そして傷は、心のある部位に到達した
その部位は深すぎて、Aさん自身にもその傷は気づけない
ご家族や職場の方などが異変に気づくことは難しかった

断崖絶壁

カウンセラーとして、私はこう思っています

できることなら、Aさんには、
プロジェクト後に、休日を確保してほしかった…
死が頭をよぎった際、心療内科や精神科を受診してほしかった… ただ、
悩んでもいないAさんがお休みをとり、医療を受診することは期待しにくい

 

もし、今のあなたがAさんと重なるなら、休養と医師の受診、いかがでしょうか
そして、心の内をつぶやきたいと感じたら、カウンセラーの門を叩いてはいかがでしょうか
カウンセラーはきっと、あなたの心を受け入れ、あなたが危機を脱するよう、力を尽くすでしょう
再び危機を繰り返さぬよう、働き方など具体的な助言ができるかもしれません

もし、大切な誰かがAさんと重なるなら、どうかその方にご案内ください

そびえる滝

あれからおよそ1か月後、Aさんは頭に死がよぎることは少なくなったそうです
そして、ますますお元気に活動されています
どうぞご安心ください

投稿者プロフィール

青木 亮
青木 亮くれたけ心理相談室(名古屋本部)心理カウンセラー
あなたのお気持ちや物語などを、私にぜひ、きかせてください。

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